ちゅーねん漂流記

自分らしく生きようともがいているある中年のブログ

せんべろという不思議スポットに行ってみた

 

先日のこと。

 

仕事を再開するにあたり某オフィスに打ち合わせに行ってきた。

 

営業しかやっていない私からすると技術的に従来より踏み込まなければならない仕事内容で、成果を出すのは簡単ではない。

 

勉強することは山ほどある。

今まで惰性で仕事をしてきたツケが回ってきているのだ。

 

まあ自分で決めたことなのでしっかりやるだけだ。

これからは一分一秒無駄にせずに真剣に取り組まなければならない。

そう心に誓う。

 

 

午後2時。

 

打ち合わせが終わり、電車に乗って家路につく。

すると不意にあるキーワードが強烈に頭に浮かんできた。

 

 

 

せんべろ

 

 

 

 

せんべろ

 

 ……

 

 

せんべろ…

 

気になってはいたが今まで行ったことがないせんべろ…

 

私じゃない誰かが頭の中で「今日こそせんべろに行ってみろ」と叫んでいる。

 

 

いや、俺にはそんな時間はない!

不屈の意思でその叫びをかき消す。

 

これで良い。

 

 

しかし、私としたことが、スマホを夢中でいじっていたからなのかうっかり最寄り駅を通り過ぎてしまったではないか。

なんてこった!!

 

だいぶ乗り過ごしたみたいで、折り返そうと思って降りた駅は京成線は立石駅である。

 

 

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くそ!

なんて運が悪いんだ俺は。

たまたませんべろがある駅ではないか。 

 

 

さて、一生懸命電車の中で調べたところによると店はどうやら駅を挟んで両側にあるらしい。

 

 

まずは西口の方へ。

 

 

 

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ほう、「呑んべ横丁」

センスがあるネーミングだ。

しかもアサヒビールがスポンサー。 

 

しかし平日の真っ昼間。

店はほとんど開いていない。

ここはスルー

 

 

しばし歩くとまた少し雰囲気の違ったエリアに。

 

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ここいらはスナックが多いようだ。

目的と趣旨が異なるうえ、当然どの店も閉まっている。

 

 

しかしこの時間、目につくのは買い物しているおばちゃんやちらほらいるサラリーマンくらいである。

私みたいなのはいない。

ろくでなし、もしくは不審者と間違われるような人種だ。

 

 

こちら側はどうも見当たらないので駅の反対側へ。

 

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この商店街の中を歩いてみるがどうもそれらしい店はない。

あるのはチェーン店のみ。

それではダメだ。

 

 

しばし歩く。

 

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メインではない寂れた一画に辿り着く。

…ここだ。

 

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中に入ると時間帯もあるのか人通りは少ない。

 

店はどこだ?

 

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とりあえず発見。

 

ただ、客は2、3人しかいなくて一旦保留とする。

 

 

さらに探索すると横道に入ったところで驚きの光景が。

 

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すごい。

平日のこの時間に…

その筋の人種はここに集まっていたのか。

 

この列を待つかどうか迷うが、混雑にはきっと何か理由があるのだろう。

ラーメン屋とかだと並ぶのをすごく嫌がる私であるが、今日はせんべろの神髄を経験しに来たのだ。

頑張って待つべきだろう。

 

というより時間だけはたっぷりあるので待つのを渋る理由がない。

 

 

列の最後尾についてお行儀よく待つことにする。

 

……

 

ふと考える。

俺はシャバの生活に戻れるのだろうか?

 

 

30分ほど待ったところで、ようやく中に通される。

 

店内は大変な混雑っぷりである。

 

私はカウンターへ。

 

 

座るとすぐに注文を聞かれるが、答えられない。

なんせメニューが無い。

壁にも手元にもどこにも無いのだ。

 

 

 周りから聞こえてくるのは

 

「半分ぶどう」

「だいこんお酢だけしょうが」

「煮込みハツモト入れて」

 「アブラ塩焼いて」

 

という意味不明なオーダーばかり。

 

 

しょうがないので熱燗を頼んだところ「そんなものはねー」と言われる始末。

 

むむ…

 

隣の人のを見て「じゃあ焼酎で」とお願いしたころ「梅は?」と、また難解な質問が。

 

なにそれ?

とりあえず「はあ」と間の抜けた返事をする。

 

結局この飲み物、焼酎ストレートに梅エキスを付け加えるというこの店独自の飲み方だった。

 

苦戦しつつ焼き鳥も注文。

 

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ようやく緊張感から解放されて改めて店内を見渡してみる。

 

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何やってるかわからないような人が多いがサラリーマンも結構いる。

女性グループなどもいて、意外といろいろな人がいることに驚く。

不思議なお店もあるもんだ。

 

みんな何をやっている人たちだろう、とか考えながら焼き鳥&もつ煮で焼酎2杯を平らげる。

 

お会計は800円。

確かに安い。

せんべろは嘘ではなかったのである。

 

店の外に出るとまだ明るく、店内とのギャップにたじろぐ。

 

 

さあ帰ろう。

今度こそきちんと帰るのだ。