ちゅーねん漂流記

自分らしく生きようともがいているある中年のブログ

馬の近くにある素敵なキャンプ場

パラパラとテントに当たる雨音で目が覚める。

時計を見ると6時。

がっつり寝てスッキリだ。

そして寝袋のぬくもりと雨の中外に出たくない思いから二度寝

 

次に起きたのは2時間後。

周りからは人々の活動している音もずいぶん聞こえてくる。

さて、いい加減起きるか。

 

まずは楽しみにしていたモーニングコーヒー

これは外せないね。

雨のなか、寒さに耐えてでもやる価値がある。

コンパクトバーナーでお湯を沸かしたコーヒーで朝の贅沢な時間を楽しむ。

考えただけでもたまらん。

 

その間にキャンプ道具でも少し片づけとくか。

 

ガシャン!

 

??

見るとバーナーとコッヘルがきれいにひっくり返って泥だらけになっている。

…さて、コンビニでも探すか。

 

だいたい雨の中コーヒー沸かして飲むなんてナンセンスなんだよ。

泥を取りながら自分がやろうとしたことに軽くムカついた。

 

 

今日は根室方面へ。

何があるかわからんがまあとりあえず向かう。

途中、国道で「→茶内駅」という看板が出てたのでふと立ち寄ってみる。

するとなぜかルパンが

 

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なんと、ここ浜中町ルパン三世の生みの親、あのモンキーパンチ先生の故郷だったのである!!

 

ってそんな興味ねーか。

まあでも、こんな何もないような片田舎で育って、あの世界中で大活躍するルパンや色気たっぷり峰不二子を考えつくなんてやはり非凡なんだろーなー。

牛とか草原とか湿地とかしかない場所なのに。

 

そんなわけで、ちょっと寄り道してこの地図に載っている霧多布という場所に行ってみることにする。

目的地は霧多布温泉「ゆうゆ」。

風呂も入ってないことだし、何より峰不二子に憧れるグラマー美女がわんさか集まっていることだろう。

 

 

結果、当然地元のじーさんばーさんしかいなく、地元の牛乳で作った珈琲牛乳を飲んでみたところ別にたいしてうまくなかったということだけ報告しておこう。

 

そして駐車場から徒歩30分くらいえっちらおっちら歩いて霧多布岬へ。

ここは水鳥の生息地としては賑やかでなかなか良かった。

 

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だらだら寄り道してしまったが根室へ。

もう夕方である。

歯舞諸島を肉眼で見て、意外と近くにあるんだなぁと不思議な気持ちになる。

 

ここではキャンプができるようなこともネットで書いてあった気がしたが、まるでそんな場所はなさそう。

いかん、別の場所を探そう。

根室のうんちゃら公園ってとこにも行ってみるが、デイキャンプ専門のよく整備された公園。

とても無理だ。

 

日没まであと間近ということで相当焦りながら結構な距離を移動して築拓キャンプ場というところへ。

テントを張った場所はなんと馬が飼われている柵の真横。

数メートル先に馬の群れがいるとても素敵な場所だ。

 

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晩飯の用意をしているうちにいなくなったのだが、彼らも夜になると自分で寝床に帰るのだろうか…

 

そして真っ暗な中、今日は一人バーベキューである。

肉は鉄板にこびりつき、野菜は生焼けだけだがこんな場所で食べる食事は格別である。

 

今夜もゆっくり眠れそうだ。

「野営場」ってキャンプ場

はっきり言って北海道の地名の位置関係はよくわからん。

釧路空港に到着し、地図で現在地を確認すると思ってた場所と違う。

もっと東の方に着くつもりだったのだが…

まあ良いか、どこに着こうがたいした問題じゃないし。

 

まずは同中を供にする相棒を入手。

なんとこの前四国に行った時に乗ったのと同じ車種である。

こりゃラクチン!

 

簡単な食材やらを仕入れて来止臥野営場へ。

さすが北海道!

来止臥ってのがまず読めない。

(キトウシって読みます)

そして「野営場」。シブい!

 

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日暮れ前に到着することが出来、景色はなかなか!

車の横にテントを張り、買ってきたツマミ片手にビールを飲む。

うむ、なかなか風情があるものだ。

 

日も完全に暮れてほろ酔いになってきたところさてトイレ。

む… むむむ…?

異臭が?

そしてトイレ全体が水浸しに!

誰か詰まらせて逆流でもさせたのか!?

こりゃとても入れん。

草むらで用を足すことにする。

 

他の客も「なんじゃこりゃー!!」とかいって騒いでる。

ふー…

 

さて寝るか。 

北海道のデカさを味わいに行く

この数か月、コロナ騒動がすごい。

今や完全に鎖国状態。

もはや海外旅行など絶望的、帰省するだけでも袋叩きにあう雰囲気だ。

Go to travelなんていうのもやっているが、とんでもないことである。

だって俺カンケーねーし。

 

とはいえみんなが心配だ。

地方の人が心配だ。

航空業界の人が心配だ。

「そろそろノーベル平和賞にノミネートされるのでは」という噂がたつほど博愛な俺は、この状況下で自分が出来ることを寝食を忘れて1時間ほど熟考した。

 

というわけで個人的に日本で未知のエリア上位に君臨する、北海道東エリアに向かうことにする。

このご時世なので密集をしないようテーマは”キャンプ”

昨年先輩の誘いで半ば強引に買わされたキャンプ道具をデカいバッグに詰め、いざ松山千春の地元に出発である。

情緒あふれる熱海に行ってきました

 

東京で桜の開花宣言がなされた先週末の昼時、私は上野駅にいた。

 

仲良くして頂いている知り合い3人と一緒に、総勢4人で旅行に向かう為である。

 

行き先は熱海。 

 

 

我々は皆、別会社ながら流通とくにスーパーに関わる仕事をやってきている。

 

何事も仕事から離れられない生真面目な我々は、スーパーと言えば温泉、温泉と言えば熱海ということで「スーパー!スーパー!」と鼻息荒く熱海を旅行先に選んだというわけでありますです。

 

仕事中毒とはまさにこのこと。 

 

 

移動に選んだのは新幹線でも特急踊り子でもなく東海道線である。

理由は「ゆっくり飲みたいから」

 

待ち合わせはグリーン車で、私以外は既に乗っている段取りなので1人で上野から電車に乗り込む。

 

3人を見つけて一緒にボックス席に座り素早くあたりを見渡すと、視界に見えているだけでビールの500ミリ缶が10数本。

 

それ以外に日本酒も用意されているはずだ。

 

すでに2本目といったところか...

 

私も1本を手に取り乾杯。 

 

 

 

乗車してから2時間、熱海駅に到着する頃には我々は焼き鳥片手にビールを全て空にしたうえで、獺祭まで飲んで気持ちよく酒盛りをしている集団と化していた。

 

時刻は午後2時半。

 

 

 

いかん。

 

これはいかん。

 

 

以前の旅行の時にはあちこちで記憶がぶっ飛び、最終的には居酒屋の便所スリッパで家に帰ってしまったではないか。

猛省したはずではないか!

 

 

 

宿にチェックインをし、自販機で買ったビールで改めて乾杯。

 

そしてまだ比較的しっかりしているうちに露天風呂へ。

遠くに初島などが見えて大変気持ちがよい。

 

風呂から出たら、午後5時半からの早めの晩飯である。

 

この晩飯、バイキングでの食べ放題と飲み放題が付いているなかなかお得なコース。

 

蟹やらなんやら適当なものを持ってきて日本酒で改めて乾杯。

 

飲み放題だからとみんな激しく日本酒を空けていく。

 

 

 

2時間後、時間がきて食堂から追い出されて部屋へ。

 

敷かれた布団に倒れ込む。

 

ふう、かなり酒も回っていて良い気持ちだ。

眠気もなかなかだがしかし仕事を忘れるわけにはいかない。

そろそろスーパーを...

 

 

「外に飲みに行こう」

1人が言う。

 

 

む...

まあもう少し飲んでからでもよいか。

 

多少ふらつきながら熱海の夜の町へ。

 

 

目についた店に入る。

店員の話なども面白く、焼酎をグイグイ飲んでしまう。

 

 

店を出て2件目へ。

場末感がなかなか素敵な店で、引き続き焼酎を飲み続ける。

 

 

そして3件目。

カラオケスナックで他の客と仲良くなったこともあり、焼酎を飲んでみんなで盛り上がる。

 

 

宿へ戻り、敷かれた布団に倒れ込む。

 

飲んだ。本気で飲んだ。

 

 

いま、夜中の何時だ?

激眠...

しかし仕事...

スーパー...

 

 

「もう1件行こうぜ」

1人が言う。

 

 

この衝撃的な一言で何かのスイッチが完全に切れて気絶。

 

 

 

翌朝

 

物音で目が覚める。

 

アルコール漬けとなった重いアタマを上げて見てみると、既に500ミリ缶のビールを飲み始めている。

 

...

 

付き合ってられません。

 

アル中ですか?

 

財布から小銭を出して自販機へ。

 

「ガタン」

 

 

俺はチューハイにしとくよ。

 

 

 

朝飯を食いそびれた我々はチェックアウトして駅前の繁華街に。

 

二日酔いだが腹は減ってきており、うまい干物で昼飯でも食おうと店を物色する。

 

 

「ここで良いんじゃない? 飲み放題もあるし」

 

一人が言う。

 

 

飲み放題...

 

 

そして入った店は笑笑。

 

干物なんぞなく、適当なツマミで酒を飲む。

夜の飲み放題のペースとなんら変わらない。

 

 

時間になり店を出る。

 

そろそろ電車で帰る時間である。

よく眠れそうだ。

 

 

「酒とツマミ買わなきゃな」

 

一人が言う。

 

...

 

 

ビールとワイン、そしてツマミを買い込んで電車に乗り込む。

 

 

酒宴

 

 

朝から酒しか飲んでなく、さすがにヘロヘロである。 

 

さすがに飲み過ぎだな、と思う。

 

帰ったらよく眠れるだろうな、と思う。

 

 

 

 

「反省会は上野でいいよな?」

 

一人が言う。

 

 

...

 

 

...

 

 

何の?

 

 

 

 

上野の居酒屋へ。

 

そして半分落ちながらもしかし酒だけはしつこく飲み続ける。

 

世の中から酒を一掃しなければならない使命感にかられたように。

 

今生の別れを惜しむ友と飲む最後の酒のように。

 

 

 

 

「次はやっぱ山梨方面だな」

 

一人が言う。

 

 

 

 

以上のように、スーパーはありませんが我々はたまにこのようなワビサビに満ちた大変有意義な観光旅行をしております。

 

ご興味ある方はご一報を

 

 

 

 

せんべろという不思議スポットに行ってみた

 

先日のこと。

 

仕事を再開するにあたり某オフィスに打ち合わせに行ってきた。

 

営業しかやっていない私からすると技術的に従来より踏み込まなければならない仕事内容で、成果を出すのは簡単ではない。

 

勉強することは山ほどある。

今まで惰性で仕事をしてきたツケが回ってきているのだ。

 

まあ自分で決めたことなのでしっかりやるだけだ。

これからは一分一秒無駄にせずに真剣に取り組まなければならない。

そう心に誓う。

 

 

午後2時。

 

打ち合わせが終わり、電車に乗って家路につく。

すると不意にあるキーワードが強烈に頭に浮かんできた。

 

 

 

せんべろ

 

 

 

 

せんべろ

 

 ……

 

 

せんべろ…

 

気になってはいたが今まで行ったことがないせんべろ…

 

私じゃない誰かが頭の中で「今日こそせんべろに行ってみろ」と叫んでいる。

 

 

いや、俺にはそんな時間はない!

不屈の意思でその叫びをかき消す。

 

これで良い。

 

 

しかし、私としたことが、スマホを夢中でいじっていたからなのかうっかり最寄り駅を通り過ぎてしまったではないか。

なんてこった!!

 

だいぶ乗り過ごしたみたいで、折り返そうと思って降りた駅は京成線は立石駅である。

 

 

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くそ!

なんて運が悪いんだ俺は。

たまたませんべろがある駅ではないか。 

 

 

さて、一生懸命電車の中で調べたところによると店はどうやら駅を挟んで両側にあるらしい。

 

 

まずは西口の方へ。

 

 

 

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ほう、「呑んべ横丁」

センスがあるネーミングだ。

しかもアサヒビールがスポンサー。 

 

しかし平日の真っ昼間。

店はほとんど開いていない。

ここはスルー

 

 

しばし歩くとまた少し雰囲気の違ったエリアに。

 

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ここいらはスナックが多いようだ。

目的と趣旨が異なるうえ、当然どの店も閉まっている。

 

 

しかしこの時間、目につくのは買い物しているおばちゃんやちらほらいるサラリーマンくらいである。

私みたいなのはいない。

ろくでなし、もしくは不審者と間違われるような人種だ。

 

 

こちら側はどうも見当たらないので駅の反対側へ。

 

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この商店街の中を歩いてみるがどうもそれらしい店はない。

あるのはチェーン店のみ。

それではダメだ。

 

 

しばし歩く。

 

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メインではない寂れた一画に辿り着く。

…ここだ。

 

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中に入ると時間帯もあるのか人通りは少ない。

 

店はどこだ?

 

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とりあえず発見。

 

ただ、客は2、3人しかいなくて一旦保留とする。

 

 

さらに探索すると横道に入ったところで驚きの光景が。

 

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すごい。

平日のこの時間に…

その筋の人種はここに集まっていたのか。

 

この列を待つかどうか迷うが、混雑にはきっと何か理由があるのだろう。

ラーメン屋とかだと並ぶのをすごく嫌がる私であるが、今日はせんべろの神髄を経験しに来たのだ。

頑張って待つべきだろう。

 

というより時間だけはたっぷりあるので待つのを渋る理由がない。

 

 

列の最後尾についてお行儀よく待つことにする。

 

……

 

ふと考える。

俺はシャバの生活に戻れるのだろうか?

 

 

30分ほど待ったところで、ようやく中に通される。

 

店内は大変な混雑っぷりである。

 

私はカウンターへ。

 

 

座るとすぐに注文を聞かれるが、答えられない。

なんせメニューが無い。

壁にも手元にもどこにも無いのだ。

 

 

 周りから聞こえてくるのは

 

「半分ぶどう」

「だいこんお酢だけしょうが」

「煮込みハツモト入れて」

 「アブラ塩焼いて」

 

という意味不明なオーダーばかり。

 

 

しょうがないので熱燗を頼んだところ「そんなものはねー」と言われる始末。

 

むむ…

 

隣の人のを見て「じゃあ焼酎で」とお願いしたころ「梅は?」と、また難解な質問が。

 

なにそれ?

とりあえず「はあ」と間の抜けた返事をする。

 

結局この飲み物、焼酎ストレートに梅エキスを付け加えるというこの店独自の飲み方だった。

 

苦戦しつつ焼き鳥も注文。

 

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ようやく緊張感から解放されて改めて店内を見渡してみる。

 

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何やってるかわからないような人が多いがサラリーマンも結構いる。

女性グループなどもいて、意外といろいろな人がいることに驚く。

不思議なお店もあるもんだ。

 

みんな何をやっている人たちだろう、とか考えながら焼き鳥&もつ煮で焼酎2杯を平らげる。

 

お会計は800円。

確かに安い。

せんべろは嘘ではなかったのである。

 

店の外に出るとまだ明るく、店内とのギャップにたじろぐ。

 

 

さあ帰ろう。

今度こそきちんと帰るのだ。

 

無職なので六本木から家まで歩いて帰ってみました

 

旅の報告ほかいろいろと話をするため、社長をやっている昔の先輩と飲むことになった。

 

 

待ち合わせ場所は六本木。

シャレオツ地域の代表格であるRoppongiである。

 

外人慣れした私にぴったりのチョイスではないか!

 

 

時間は夜の10時。

 

働いている皆さんが帰る時間に駅に到着だ。

駅では忘年会の解散風景をいくつか目にする。

「良いお年を~」なんて言って別れていく。

 

 

そして指定された店に。

 

 

そこはとあるビルの3階にあるかなり高級そうなスナック風バー。

 

その重厚なドアは無言で「犬と無職立ち入るべからず」と威圧してくる。

 

ぐぐ。

 

上等じゃねーかコラ!

 

ドアの前で一瞬ひるんで帰りたくなったが、ここで引き下がっては昔の上海の中国人に申し訳が立たない。

 

勇気を出して中へ。

 

 

「〇田さん、少し遅れるそうで先に飲んでてって」ということでカウンターに通される。

ではビールを。

 

その店は常連客っぽい人たちで賑わっており、すぐ両隣にも2人組の客がいる。

高そうなスーツをビシッと着こんだ見た感じ社長ふうの人たちやベンチャー企業か何かでひと財産築いたような金持ちっぽい人たち。

 

そして私はそこらに買い物にでも行くような私服である。下はジーパン。

 

ちなみにパンツは使い古されたヨレヨレのユニクロのやつで、六本木の高級娼婦に声をかけられたとしても一夜を共にすることもできない。

 

 

しかしなんだこの、もの凄い居心地の悪さは。

 

 

こんな時はどうやって待てば良い?

どうすればこれ以上この店で浮かなくてすむ?

 

混乱したアタマで必死に考えるが良いアイデアが浮かばない。

 

結局注がれたビールをひたすら凝視して不気味なオーラを全身から発しつつ先輩が来るのを待つ。

「何故六本木なんかにしたのだ。そもそもこんな街は大っ嫌いなんだよ俺は。新橋の赤ちょうちんでいいじゃねーか」と恨み節をつぶやきながら。

 

 

30分後

 

「悪い悪い遅れて! 待たせちゃったな」

 

はい、子猫のように震えながら待ってました。

 

 

先輩は涙目になっている私にハンカチを渡しながら、「前にもこの店連れて来ただろう」と言う。

 

毎日のように飲んだくれていたからなのか全く記憶にない。

 

普通に来たことがあったなんて。

 

その時私は、どういう立ち振る舞いをしていたのだろうか。

 

 

 

近況やこれからのことなどを話したのち、オーナーママを含めてワインの話題に。

 

 

ピノノワールがどうだソービニオンがどうだアクディテがどうだマチェがどうだボルドーはカリフォルニアだナマムギナmゴメンガ;ェkジャl

 

 

呪文?

 

スペイン語より理解不能なのですが?

 

 

「〇田さん:俺も前は全然知らなかったが勉強して詳しくなったのだ。お前もこれから努力して少しは話せるようにならなきゃダメだぞ」

 

「俺:はい!」

 

ワインは赤と白、甘い甘くないの区分で人生切り抜けられると思っていたが世の中そうもいかないらしい。

 

ホッピーなら白か黒でいいのに。

ハイボールなら濃いめか薄めでいいのに。

 

勉強することってたくさんあるね。

 

 

終電も完全になくなった深夜1時、会はお開きとなった。

ご馳走さまでしたと、先輩が乗ったタクシーを見送る。

 

 

さて、俺も帰ろう。

徒歩で。

 

 

今の私に貴族みたいにタクシーを使って優雅に帰る資格も余裕も、ない。

東京タワーを横目に新橋を抜け日本橋を抜けてテクテク歩いて家に向かう。

 

 

 

不思議なことに、なぜか見るもの全てが新鮮だ。

 

12月末深夜2時の東京、頑張って働いている人やまだ飲んでいる人、普通に散歩している人もいる。

どこもかしこも明るく、街は息づいている。

 

この東京でずっと暮らして仕事をしていたのに、はじめて見る光景に思える。

 

 

今までの私は、12月といえば毎日毎日爆飲をしてなんとかタクシーに乗り込み、乗った瞬間に爆睡して家まで帰り、翌朝完全な二日酔いとなり死ぬ思いで吐きながら出勤するの繰り返しだった。

 

そうこうしているうちに12月が終わる。

 

街を見ることもなかった。

 

 

今まで俺は何をしてきたんだろう?

 

自分が住んでいる街もよくわかってない。

 

 

 

寒空の中を震えて歩きながら無性に切なくなった。

 

 

 

いろいろ土下座してきました

以下長文、駄文ご容赦願います。

なお今回、超まじめな内容ですので興味がない人は飛ばしてください。

 

 

逃げるように旅立った中南米旅行。

そしてまあ無事に帰ってきた。

 

旅行前と変わらない住居と変わらない近所の景色。

テレビでも、旅行前と変わらない面白くもなんともない番組が相変わらず流れている。

 

旅は終わり、本当に日本に帰ってきたのである。 

 

現実社会に戻ってきたと言っても良い。

 

 

束の間の休息を取る。

 

無職なので、来月でも来年でも10年先でもいつまでも休息を取ることはできるがそうも行かない。

 

 

まずは自分の進路を決めねばならない。

今更ながらっていうのが自分事ながらあまりにもすごい。

 

旅の結果として人生の方向性が決まるようなことは、当然ながら無い。

自分探しの旅で本当に何かが見つかる程、旅は素晴らしいものではない。

 (インドに行った旅行者なんかではいきなりそっち方面に進む人もたまにいるらしいが)

 

 

数日かけてじっくり考える。

 

自分がやりたいこと、出来ること、今の能力含めた実現可能性とその達成時期およびこれからの生活に伴う金銭的な問題。

 

客観的かつ現実的に。

 

とにかく自分と向き合う。

 

慣れない苦しい作業が続く。

 

……

 

……

 

 

 

ある選択。

 

 

うむむ……

 

うむむむむむ……

 

 

この選択は苦しい。

精神的にもかなり負担が大きい。

なにより「人として」という問題が多分にある。

 

 

……

 

 

いや、これだ。

 

全ては自分が招いた現状である。

ほかの誰のせいでもなく、自分のケツは自分で持たなければならない。

自分の人生は自分で決めなければならない。

 

 

 

 

数日後、私はある人の前にいた。

 

仕事の取引先のスーパーキーマンで、ずっとお世話になってきたKさんだ。

込み入った経緯があり、今は私が元々いた会社で幹部もしている

つまり、私が会社を辞めた時は上司として大迷惑をかけてしまった当事者の一人である。

ずっと物凄い可愛がってくれてたのに私は会社を辞めた…

 

 

その席には私より前に会社を退職してしまった元々の私の上司だったSさんもいる。

というより、その方が「帰国祝い」ということで一席設けてくれたのだ。

 

最初は旅行の話など差し障りのない会話であるが、当然私の今後についての会話となる。

 

私はKさんに話した。

まだ全然詰まっていないながらも将来やりたいこと。

現状では能力的、金銭的に実現は困難で仕事の世話をしてほしいこと。

 

虫が良すぎる話ではっきり言って甘えである。

自分でも非常識の域を超えていると強く認識していた。

 

Sさんはほとんど黙って聞いていたが、長年に渡り可愛がってきたという思いもあるのだろう、要所要所で私の考えを擁護してくれた。

 

自分なりに必死にお願いはしたと思うが、それとは関係なくKさんの器は大きかった。

顔面に飛び蹴りをされてもおかしくない私のお願いを、とりあえず検討してくれることになった。

 

 

翌日、酒が入ってない状態で再度Kさんを訪問。

改めて今の私の考えを伝え、昨日と同じお願いをする。

 

 

Kさんはもう一人のキーマンにつないでくれた。

その方も私の退職により被害を被った最大の被害者の一人である。

私のことはKさんが前もって簡単に話をしてくれていたらしい。

 

 

明るく旅行の話題などを振ってきてくれるのが、物凄く心が痛む。

 

そして今後についての話題に。

 

私は同じ説明をした。

同じお願いをした。

その状況は土下座しているのと何ら変わらない。

 

申し訳なくて恥ずかしくて死にたくなる。

…いや、これが私の現実だ。

偉そうなことを言って部下を叱ってきても、偉そうなことを言って会社を辞めてもこれが考え足らずな自分が引き起こした紛れもない現実なのだ。

ただ迷惑をかけているだけ。

 

本当にありがたいことに、この方も以前と変わらず暖かい叱咤激励のお言葉を頂き反対されることはなかった。

言いたいことは山のようにあったと思う。私が辞めたせいでしなくて良い苦労をしたこともたくさんあったはずだ。

 

もはや言葉もない…

 

 

 

そして私は最も迷惑をかけたトップオブ被害者、会社の社長に電話をかけた。

なぜかとてもドキドキした。

とりあえず電話には出てくれ、「元気か?」と明るい声で応じてくれた。

 

その電話により、数日後に旅行報告を兼ねたランチをすることが固まった。

その間、Kさんが事前に大まかな趣旨を話しておいてくれてるのだから本当に頭が上がらない。

 

ランチ当日、慣れ親しんだ元の会社に顔を出す。

「旅行どうだった?」とか「顔焼けたなぁ」と気さくに声をかけてくれる人もいれば「お前よく顔出せるな」と当たり前の突っ込みを入れてくる人もいる。

当然顔を合わせるのを拒否する人もいる。

 

関係者全員に迷惑をかけたのだ。

普通に考えて、いま自分がここにいることは異常でしかない。

 

ただ努めて明るく振る舞う。

 

自分で一度決めたことだ。

全てのことをお詫びの気持ちと誠意を持って受け入れるほかはない。

 

 

そして大ボスの登場。

 

社長とKさん、私とで会議室に。

 

私は同様の説明とお願いをした。

どれだけ伝わったか分からないがお詫びの気持ちも伝えた。

 

一通りの話をすると社長は、「お昼に行こうか」と言った。

 

 

 

 

人生の節目には今までの生き方がさらけ出されることがあると思う。

自分の生きざまは鏡のように自分に跳ね返ってくる。

綺麗ごとで取り繕おうが自分をごまかそうが何の意味もない。

 

私は今回の件で自分の能力のなさと計画性の甘さ、不甲斐なさを嫌というほど痛感した。

そして周りの人々の理解や寛容さに心から救われた。

 

 

あとはこの一年、目標に向かって死ぬ気で走れるかどうかである。

自分が変われるかどうかである。

中年になっててもできるはずだ。

 

 

今回、こんな恥ずかしい顛末をなぜ投稿したかと言うと、自分に対しての戒めの為、関係者への感謝を忘れない為、そして読んでくださった方に反面教師として何かしら伝えられればとの思いからです。

 

まあこんな身の程知らずの阿呆はそうそういないと思いますが。